応用情報の問題を出しますね。
ルータを冗長化するために用いられるプロトコルはどれか。
ア:PPP
イ:RARP
ウ:SNMP
エ:VRRP
エ:VRRP
正解です!
ありがとうございます。
ルータを冗長化するとは、ルータが壊れたときに別のルータが代替するということですか?
はい、その通りです。ルータが故障した際に、代替ルータが自動的に切り替わり、通信を継続する仕組みです。
ということは、ルータを2台置いておくんですね。
はい、通常は少なくとも2台のルータを設置し、片方が故障してももう片方が即座に代替できるようにします。
そのためのプロトコルが VRRPなのですね。
その通りです。VRRPは、複数のルータ間で冗長構成を実現するためのプロトコルです。
ちなみに VRRPは何の略ですか?
VRRPは「Virtual Router Redundancy Protocol」の略です。
日本語に訳すとなんという意味ですか?
「仮想ルータ冗長化プロトコル」と訳されます。
ありがとうございます。他の選択肢についても何を指しているか教えてください。
どういたしまして。以下が他の選択肢の説明です。
- ア:PPP(Point-to-Point Protocol)
通信回線で2点間のデータリンクを確立するためのプロトコルです。主にインターネット接続時に使用されます。 - イ:RARP(Reverse Address Resolution Protocol)
ネットワーク上の機器が、自身のMACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルです。 - ウ:SNMP(Simple Network Management Protocol)
ネットワーク機器を管理・監視するためのプロトコルです。主に機器の状態監視や制御に使用されます。
一度に覚えられないので VRRPがルータ冗長化のためのプロトコルっていうことだけ覚えておきますね。
それで十分です。必要なときに他のプロトコルも覚えていけば大丈夫です。
この問題は、ネットワークの信頼性を高めるために必要な「冗長化」技術に関する知識を問うものです。ITインフラを安定的に運用するためには、万一の障害時にもサービスが継続できるようにすることが求められます。では、各選択肢について詳しく見ていきましょう。
ア:PPP(Point-to-Point Protocol)
まず、「ア」のPPPですが、これはネットワーク層で2点間の通信を確立するためのプロトコルです。例えば、インターネット接続時のモデムとISP間の通信でよく利用されてきた技術です。PPPは認証、圧縮、エラー検出、マルチリンク機能など、さまざまな機能を持っており、特にダイヤルアップ接続時代に広く利用されました。
ただし、PPPは通信の確立と管理を目的としているため、ルータそのものの冗長化を直接サポートするプロトコルではありません。つまり、PPPを使用しても、ルータの冗長化は実現できません。したがって、この選択肢は正解ではありません。
イ:RARP(Reverse Address Resolution Protocol)
次に「イ」のRARPです。RARPは古典的なプロトコルで、主にディスクレスワークステーションが自分のIPアドレスを取得するために使用されました。RARPは、MACアドレス(ハードウェアアドレス)から対応するIPアドレスを取得するプロトコルで、ARP(Address Resolution Protocol)の逆の動作を行います。
しかし、現在では、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)など、より高度で柔軟なIPアドレス割り当ての仕組みが主流となっており、RARPはほとんど使われなくなっています。また、RARPはルータの冗長化とは関係がないため、この選択肢も不正解です。
ウ:SNMP(Simple Network Management Protocol)
次に、「ウ」のSNMPです。SNMPは、ネットワーク機器の監視と管理を行うためのプロトコルで、ネットワーク管理者が遠隔地からネットワーク機器の状態を監視し、トラブルシューティングを行うのに役立ちます。SNMPはネットワークの監視や設定変更、イベント通知などに用いられ、ネットワークの全体的なパフォーマンスと健全性を維持するために欠かせないツールです。
しかし、SNMP自体はネットワーク機器の冗長化を直接行うものではありません。SNMPを利用してルータを冗長化することはできないため、この選択肢も不適切です。
エ:VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)
最後に「エ」のVRRPです。VRRPは、ルータの冗長化を実現するために特別に設計されたプロトコルです。VRRPを使用することで、複数のルータが仮想的に1つのルータとして機能することができます。これにより、主ルータが故障した場合でも、待機中の他のルータがすぐにその役割を引き継ぐことが可能になります。
VRRPは、高可用性ネットワークを構築する際に非常に重要な役割を果たします。例えば、企業の重要なインターネット接続や内部ネットワークでVRRPを使用することで、ネットワークのダウンタイムを最小限に抑えることができます。ネットワークの停止がビジネスに与える影響は大きく、ダウンタイムが短いほど、ビジネスの継続性が確保されます。
このように、VRRPはルータの冗長化を実現するための最適なプロトコルであり、正解は「エ:VRRP」となります。
まとめ
ネットワークの冗長化は、システムの信頼性を向上させるために非常に重要な技術です。ルータの冗長化を適切に行うことで、ネットワークの可用性が高まり、システムの安定稼働を実現することができます。応用情報技術者試験では、このようなネットワークに関する基礎的な知識が問われることが多いため、しっかりと理解しておきましょう。
VRRPを使ってルータの冗長化を行うことで、ネットワークインフラの信頼性を高め、万一の障害時にも迅速に対応できる体制を整えることが可能です。この知識をしっかり身に付け、試験対策に役立ててください。
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