こんにちは、おゆかよです。今回は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進において重要な「デジタルガバナンス・コード2.0」についてお話しします。答えを先にお伝えすると、このコードは、企業の「経営者」自身がリーダーシップを持って「DX」を進めるべきだという点を強調しているガイドラインです。なぜIT部門だけでは不十分なのか、経営者に求められる役割とは何かを一緒に考えていきましょう。
応用情報の問題と解答
いつものように、応用情報の問題を出しますね。
“デジタルガバナンス・コード2.0”の説明として、適切なものはどれか。
ア 企業の自主的なDX推進を促すために、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョン策定など経営者に求められる対応を、経済産業省がまとめたもの
イ 教育委員会に対して、教育情報セキュリティポリシーの基本理念や情報セキュリティ対策基準の記述例を、文部科学省がまとめたもの
ウ 全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指し、自治体が重点的に取り組むべき事項を、総務省がまとめたもの
エ デジタル社会構成のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策などを、デジタル庁がまとめたもの
正解はエです。
残念。違います。わたしもエだと思いました。
ChatGPTはわたしと同じ間違いをしましたね。
失礼しました。正解はアです。
正解です!
興味本位ですが、なぜ間違えたのですか?
「デジタル庁」というキーワードに引っ張られて、「デジタルガバナンス・コード2.0」と関連があると誤認したためです。しかし、実際には「デジタルガバナンス・コード2.0」は企業のDX推進に関するものであり、経済産業省が主導しています。
「デジタル庁」というキーワードに引っ張られますよね。
思考回路がわたしと同じですね。
そうですよね。「デジタル庁」という言葉が直感的に関連しそうに思えるので、引っ張られるのは自然です。問題文を注意深く読むと、実際は「企業のDX推進」を重視しているため、経済産業省の方が適切だとわかりますが、キーワードのインパクトは大きいですね。
正解を選ぶポイントは?
解説を読んだのですが、デジタルガバナンス・コードは「経営者に」求められる対応というところがポイントだそうです。
なるほど、「経営者に求められる対応」という部分がポイントなんですね。デジタルガバナンス・コードは、特に企業の経営層がデジタル技術を活用してDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める際に取るべき指針を示しているので、「経営者」が対象であることが重要な区別ポイントになりますね。これで選択肢の絞り込みがしやすくなりますね。
経営者にITリテラシーが求められる時代ですね。
本当にその通りですね。経営者がITリテラシーを持つことで、デジタル技術を活用した戦略的な意思決定が可能になりますし、DXを進める上でもリーダーシップを発揮できるようになります。これからは技術理解が経営の重要な要素となる時代ですね。
デジタルガバナンス・コードを記憶に残すための説明
策定背景
話を戻しますが、デジタルガバナンス・コードは2020年に経産省によって策定されたそうですね。背景を教えていただけますか?
デジタルガバナンス・コードは、2020年に経済産業省によって策定され、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドラインです。その背景には、急速に進むデジタル技術の発展と、これを取り入れた企業経営の必要性がありました。
日本企業は、他国と比べDXが遅れていると指摘されており、特にITリテラシー不足や経営層の理解不足が課題とされていました。これを受け、経営者自らがデジタル技術を活用し、企業価値を高めるための方向性を示す必要がありました。デジタルガバナンス・コードは、こうした状況に対応するため、経営戦略とITを統合し、企業が競争力を維持・向上させるための枠組みとして策定されたのです。
日本企業のDXが遅れているという指摘が背景にあったのですね。
たしかに、レガシーシステムの刷新に踏み切れない企業が多い印象です。DXに投資価値を見出せる経営層が必要ですね。
おっしゃる通りです。多くの日本企業は、長年使ってきたレガシーシステムに依存しており、これを刷新するコストやリスクを懸念してDXに踏み切れない状況が続いています。しかし、今後の競争環境を考えると、デジタル技術に投資して新たな価値を生み出すことが重要です。そのためには、DXの投資価値を理解し、長期的な視点でデジタル化を進める経営層のリーダーシップが不可欠ですね。
概要
デジタルガバナンス・コードの中身は実際どんなものか?を垣間見たいです。
ネットで調べたのですが、主に下記4つの要素で構成されているそうですね。
・ビジョン・ビジネスモデル
・戦略
・成果と重要な成果指標
・ガバナンスシステム
これだけ読むと、抽象的でイメージが付きにくいです💦
確かに、その4つの要素だけだと抽象的に感じますね。デジタルガバナンス・コードの各要素をもう少し具体的に説明すると、イメージがつかみやすくなると思います。
- ビジョン・ビジネスモデル
企業はデジタル技術を活用して、どのような未来像を描くのか、どのような価値を提供するのかを明確にすることが求められます。つまり、経営層がデジタル技術を使って自社のビジネスモデルをどのように進化させるかを定義する段階です。 - 戦略
ビジョンを実現するための具体的な戦略を策定します。これには、デジタル技術をどの部門に導入するか、業務プロセスや製品開発のどこに変革を起こすかといった計画が含まれます。また、技術導入に伴う人材の育成や組織体制の整備も含まれます。 - 成果と重要な成果指標(KPI)
デジタル化の成果を測定するために、具体的なKPIを設定します。例えば、売上向上、コスト削減、新規顧客獲得、デジタルプロジェクトの進捗などを評価する指標です。これにより、戦略の効果を客観的に把握できるようにします。 - ガバナンスシステム
DXを推進するために、適切なガバナンス体制を整えることです。リスク管理や法令遵守のための仕組みを確立し、経営陣や取締役会がデジタル化の進捗を監督できる体制を構築します。特に、データの安全性やプライバシー保護など、デジタル時代ならではのリスクにも対応します。
これらは、企業がDXを単なる技術導入にとどめず、経営全体に統合していくためのフレームワークです。企業ごとに異なる状況に応じて、これらの要素をカスタマイズして進めていくことが期待されます。
なるほど。経営全体のプロセスにIT技術を統合するのですね。
結果的に、このガイドライン策定・発表は日本企業のDX推進に効果があったのでしょうか?
デジタルガバナンス・コードの策定は、日本企業のDX推進に一定の効果をもたらしていますが、成果はまだ部分的です。このガイドラインにより、特に大企業を中心に経営層の意識が高まり、DXの必要性を認識する動きが加速しました。企業がDX戦略を策定し、組織体制を整える例も増えています。
ただし、依然として多くの企業はレガシーシステムへの依存や変革への抵抗感を抱えており、全体的な進展はまだ限定的です。ガイドラインはDXの重要性を提示しますが、それを実行に移すためには、経営層の強いリーダーシップや具体的な投資が不可欠です。特に中小企業においては、リソース不足やデジタル人材の確保が課題となっており、まだ効果が行き渡っていない面もあります。
全体として、ガイドラインは意識向上に寄与しましたが、実際のDX推進にはさらなる取り組みが必要というのが現状です。
デジタルガバナンス・コードをわたしの記憶に残すために、ほかに特筆すべき説明があれば教えてください。
デジタルガバナンス・コードを記憶に残すための特筆すべきポイントとして、以下の2点が重要です。
- 経営責任の明確化
デジタルガバナンス・コードでは、DXの推進を単にIT部門に任せるのではなく、経営者自身がリーダーシップを取るべきと強調しています。つまり、経営者がDXの全体戦略を策定し、その進捗や成果を見届ける責任を負うという点が特徴です。これにより、企業全体でデジタル変革を進める意識が醸成されます。 - ステークホルダーとの対話
デジタルガバナンス・コードは、単なる社内変革にとどまらず、投資家や顧客といった外部ステークホルダーとの対話も重要視しています。企業のデジタル戦略や成果について透明性を持って説明することで、外部からの信頼を得ることが求められています。
この2点を押さえると、デジタルガバナンス・コードの本質が記憶に残りやすいかもしれません。
DX推進のリーダーシップはIT部門よりもむしろ経営者自身が取るべきなのですね。わたしもそう思います。IT部門メンバーがDXを進めようとしても、結局は経営者が方針を決めることになりますからね。経営者がITリテラシーを高めてDXの必要性、打つべき対策、価値を知っているのと知らないのとでは、その企業の未来がまったく変わってくると感じます。
おっしゃる通りです。経営者がITリテラシーを高め、DXの重要性や戦略的価値を理解しているかどうかで、企業の未来は大きく変わります。IT部門がいくら技術提案をしても、最終的な意思決定は経営者次第なので、経営層がデジタル技術を事業成長にどう生かすかを判断できることが鍵となります。
特にDXは、単なる技術導入ではなく、ビジネスモデルの変革や組織文化の刷新も伴うため、経営者がその変革をリードする必要があります。経営者の理解と積極的な関与がDX成功のカギと言えますね。
ありがとうございました。
どういたしまして!また何かあればお気軽にどうぞ。
まとめ
デジタルガバナンス・コード2.0のポイントは「DX」と「経営者」でしたね。この2点を抑えておけば今回の問題は解けそうです。
IT部門任せではなく、経営層がデジタル技術を理解し、企業全体でDXを進める戦略を策定することは不可欠です。これにより、競争力のあるビジネスモデルやガバナンス体制が構築され、持続的な成長が可能になります。経営者の意識改革が、企業の未来を大きく左右する時代です。
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