応用情報の問題を出しますね。
ICカードの耐タンパ性を高める対策はどれか。
ア:ICカードとICカードリーダーとが非接触の状態で利用者を認証して,利用者の利便性を高めるようにする。
イ:故障に備えてあらかじめ作成した予備のICカードを保管し,故障時に直ちに予備カードに交換して利用者がICカードを使い続けられるようにする。
ウ:信号の読出し用プローブの取付けを検出するとICチップ内の保存情報を消去する回路を設けて,ICチップ内の情報を容易には解析できないようにする。
エ:利用者認証にICカードを利用している業務システムにおいて,退職者のICカードは業務システム側で利用を停止して,他の利用者が利用できないようにする。
ウ:信号の読出し用プローブの取付けを検出するとICチップ内の保存情報を消去する回路を設けて,ICチップ内の情報を容易には解析できないようにする。
あたりです!
やった!また問題があれば教えてくださいね。
ICカードは分かります。非接触のSuiCaみたいなカードのことですよね。
そうです、ICカードは非接触のSuiCaのようなカードを指します。電車やバスの乗車、買い物などに使える便利なカードです。
耐タンパ性っていう言葉は初めてききました。いったい何ですか?
耐タンパ性とは、不正な操作や解析に対する抵抗力のことです。ICカードの場合、内部データや機能を不正にアクセスされたり改ざんされたりしないように保護する技術や設計を指します。
セキュリティを守る力なんですね。
応用情報技術者試験の解説を見ると「物理的」というワードが出てきましたよ。物理的接触による解析・改ざんに対する耐性なんですね。
タンパってどういう意味なんですか?
「タンパ」は「タンパリング(tampering)」の略で、「改ざん」や「不正操作」を意味します。セキュリティ分野では、システムやデータを不正に操作する行為を指します。
タンパは改ざんや不正防止という意味なんですね。
答えはウだということなんですが、ウの回答内容もよくわかりません。
プローブって?
プローブとは、ICカードなどの電子機器内部にアクセスして、信号を読み取るための装置です。攻撃者がプローブを使ってICチップの内部信号を解析し、機密情報を盗むことがあります。
「ウ」の内容は、プローブが取り付けられたことを検出すると、ICチップ内の情報を自動的に消去する回路を設けることで、解析されるリスクを防ぐ対策です。これによって、不正アクセスを防ぎ、耐タンパ性が向上します。
「なおこのメッセージは自動的に消滅する」ってやつですね(古い)
読み取りデバイスから正当にデータを読み取るのと、不正なのとどうやって区別するの?正当にデータを読み取るときには「プローブ」っていうのは使わないんですか?
その通りです、ちょっと懐かしいですね!
正当なデータ読み取りには「プローブ」は使いません。ICカードは通常、専用のリーダーや読み取り機と無線で通信し、データをやり取りします。不正アクセスを試みる際には、攻撃者がカード内部の信号を直接解析しようとするため、物理的にプローブを接続して内部データを探ります。
ICカードは、こうした不正な操作(プローブの取り付け)を検出できるように設計されていて、不正と判断されると情報を消去する機能が働くのです。正規のリーダーを使用する場合は、このような物理的なアクセスは必要なく、正常な通信が行われるので問題ありません。
正当なデータ読み取りにはプローブは使わないのですね。
一旦、悪意のある人によってプローブが使用されるとそのICカードの情報は消滅するから使えなくなりますね。お金をチャージしてたら悲しいことになる?
はい、そうなりますね。不正なプローブが使われると、情報が消去されてカードが使えなくなるため、チャージしたお金も失われます。これはセキュリティを守るための措置ですが、正当な使用者にとっては確かに悲しい結果になることもあります。
ありがとうございました。
どういたしまして!
ICカードは、現代の生活に欠かせないツールの一つです。例えば、SuiCaやPASMOのような交通系ICカードは、日常の移動をスムーズにしてくれる便利なアイテムです。多くの方が日常的に利用していますが、ICカードのセキュリティ面について考えたことはあるでしょうか?今回は、応用情報技術者試験に登場する「ICカードの耐タンパ性」について解説します。
1. ICカードとは?
まず、ICカードとは何かを簡単に振り返ってみましょう。ICカードは「Integrated Circuit Card」の略で、カード内部に埋め込まれたICチップを使って情報を管理・送受信します。このICチップには、個人情報や残高、認証データなどが含まれており、交通機関の利用や電子マネーとしての機能も果たします。
ICカードは「接触型」と「非接触型」に分類されますが、一般的に私たちがよく使うのは非接触型です。例えば、改札でICカードをかざすだけで認証され、改札が開くのは、非接触で通信を行う技術によるものです。この技術により、ICカードは迅速かつ便利に使うことができています。
2. 応用情報技術者試験の問題:耐タンパ性とは?
応用情報技術者試験でよく出題される「耐タンパ性」という言葉、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?これは、ICカードや電子機器に対する「タンパリング(tampering)」、つまり不正な改ざんや解析に対する耐性を意味します。
具体的には、ICカードの内部データを物理的に攻撃して盗み出したり、改ざんしたりしようとする行為を防ぐための技術や設計を指します。セキュリティの強化という観点から、耐タンパ性は非常に重要な要素となっており、ICカードのように個人情報や資産を管理するデバイスでは特に重要視されています。
3. プローブとは?
この問題の中で登場する「信号の読出し用プローブ」とは、ICカードなどの電子機器に接触して内部データを直接読み取るための器具です。不正アクセスを行う攻撃者は、ICカードの中にあるICチップのデータを解析しようとして、プローブを使用します。プローブをチップに取り付けて信号を読み取り、内部データや認証情報などを盗むことができます。
このような物理的な不正アクセスを防ぐため、ICカードはプローブを検出する機能を備えていることがあります。問題文にあったように、プローブの取り付けが検出された場合、ICカード内のデータが自動的に消去され、攻撃者が情報を取得できないようにする仕組みが用意されています。まさに、スパイ映画でよく出てくる「このメッセージは自動的に消滅する」といった場面に似たセキュリティ対策です。
4. 正当なデバイスとの区別は?
では、不正なプローブと、正当なICカードリーダーなどのデバイスはどうやって区別されるのでしょうか?ICカードが正当なリーダーと通信するときには、特定のプロトコルや暗号化が使用されます。これに対して、不正なプローブは物理的にICチップに接触し、外部からデータを盗み取ろうとします。
また、通常のICカードの読み取りにおいては、カードリーダーや非接触通信技術(RFIDなど)が使われます。これらの正当な機器は、適切なプロトコルを通じてデータを送受信し、ICカードに安全にアクセスしますが、不正なプローブはこれらのプロトコルを使わないため、ICカードは区別して対応できます。
5. 耐タンパ性とユーザーの利便性
ここで一つ気になるのは、プローブが検出されたときにICカードの情報が消去されることで、カードが使えなくなる点です。もしICカードにお金がチャージされていたら、そのお金も消滅してしまうのでは?と不安になるかもしれません。
確かに、プローブによる攻撃が行われた際、ICカード内のデータが消去されると、チャージされている残高も失われる可能性があります。しかし、実際にはこのようなセキュリティ対策は非常に慎重に設計されており、誤作動でデータが消去されることがないように工夫されています。
また、万が一ICカードが破損したりデータが消去された場合でも、カードの残高情報は外部サーバーに保存されている場合が多いので、再発行されたカードに残高を移すことも可能です。
6. まとめ
ICカードは便利なツールであり、私たちの日常生活で広く使われていますが、そのセキュリティ面も非常に重要です。「耐タンパ性」という概念は、物理的な不正アクセスに対してデータを保護するための重要な要素です。特に、応用情報技術者試験の問題では、ICカードのセキュリティ対策として「プローブ検出」がよく取り上げられます。
正当なデバイスとの通信と不正なプローブによるアクセスは、適切なプロトコルや暗号化技術によって区別され、ICカードの安全性が保たれています。私たちが日常的に使うICカードが、どのようにセキュリティを確保しているのか、少しでも理解が深まれば幸いです。
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